実家の問題

近年、空き家問題が大きく話題となり、深刻化してきている問題を知っておきましょう。

千葉県の空き家率は11.8%

総務省の「住宅・土地統計調査」(平成30年)によれば、千葉県の空き家数(別荘などの二次的住宅を除く)は35.9万戸で全国6位の数字で、空き家率(空き家数÷住宅総数)は11.8%となり全国で39位なのだそうです。

家並み
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この空き家率が全国一低いのは沖縄県で、2位以下は、埼玉県・神奈川県・東京都・愛知県と大都市圏が続くのですが、これら都県の特徴は、人口と世帯数が増加を続けているのだそうで、住宅総数がこの10年間に2桁台で伸びる中にあっても、空き家率は低下ないし横這い圏内で推移しているのだそうです。

千葉県全体では、空き家率は10年前よりも低下したのだそうですが、その推移は一様ではなく、県内を5つのブロックに分けると、県内外からの人口流入が活発な「東京湾岸地域」で空き家数が16.2%減少し、空き家率も3.0ポイント低下したほか、「常磐つくばエクスプレス沿線地域」「成田空港周辺・印旛地域」でも、空き家率は低下しているのですが、過疎化が進み住宅需要が乏しい「銚子・九十九里南房総地域」では、空き家数が3割も増加、空き家率も3.7ポイント上昇して15%を上回るなど、都市部と地方部との間で格差が拡大しているようです。

全国にある空き家の数848万9,000戸といわれていますから、ここ最近の頻繁に起こる災害のことを考えると、行政側で早めに手を打っておいてほしいところですね。

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認知症などに備え「任意後見」が急増。

認知症などで判断能力が衰えたときに備え、財産管理などをしてもらう人を事前に決めておく「任意後見契約公正証書」の作成件数が、ここ10年で倍増しているのだそうです。

f:id:okatazukenet:20181005163735j:plain これは日本公証人連合会が発表したデータなのですが、「公正証書遺言」の作成件数も年々増加しているようで、ここ最近の「終活」ブームの影響もあるのでしょうね。

そもそも任意後見契約というのは、財産管理や医療契約などをしてもらう後見人を当事者間で事前に決めるために交わすもので、元裁判官や元検察官が務める公証人が公正証書を作成することになります。

これは判断能力が衰えた後、家族らの申請で裁判所が後見人を選ぶ「法定後見」に対して、自分の意思で信頼できる人を後見人に選ぶことができるというもので、平成19年の任意後見契約公正証書の作成件数は6489件だったのが、29年には1万2025件と倍増していて、過去最多を更新したのだそうです。

また、死後の相続トラブルなどを回避しようと遺言の普及も進んでいるようで、公証人に作ってもらう「公正証書遺言」の登録件数は26年以降、毎年10万件を超えているようで、昨年は11万191件だったのだとか。

もともと遺言は、自ら作成する「自筆証書遺言」もあるのですが、財産目録も含め全文を手書きする必要があるため作成負担が大きかったのですが、今年の法改正によって来年1月以降はパソコンで作成した財産目録や銀行通帳のコピーなどの添付が可能となるなど大幅に作成しやすくなるので、今後もこの流れは勢いを増しそうですね。

また2年以内には、各地の法務局で保管できるようになることも決まっているのだそうで、相続人による改竄や隠匿がされにくくなるというのは、いいことですね。

実家の遺品整理

実家を離れて暮らしている人であれば、自分たちで遺品を整理する場合ひとつのポイントがあります。

まず遺品整理する場合、兄弟などがいるのであれば、一緒に整理するようにしましょう。 というのも、要るもの要らないものを判断するのは一人では判断がつかず、兄弟がいないときに遺品整理を行い、捨ててしまった後で、あとから激怒されるなんてことも多々あるんです。

また、貴重品などは誰が引き取るのかどうかも問題となってきますし、しっかりと残された人たちでルールをつくっておくことが大切です。

f:id:okatazukenet:20180823164234j:plain また近年では、遺品整理サービス業者に依頼し故人の所有物の整理や処分を依頼するケースが多くなっているのですが、トラブルが起こりやすくなってきています。

遺品整理を丸投げしてしまうと、大事な形見を処分されたり、思いの外法外な料金が請求されたりと、あとで後悔することが出てくるものです。 ですので、遺品整理サービスを頼むときはしっかりと契約内容を確認しておくべきです。

このように本人が亡くなったあとの遺品整理は残された人がとても大変になりますので、元気なうちから少しづつ人生の終末期や死後の準備をしておくのがいいでしょう。

生前であれば、遺品を残す側の意向がしっかりと反映されるでしょうし、いまや「終活」として自分が健在なうちに実家の荷物を片付ける「生前整理」もブームとなっているのです。

残された人のことを考え、残しておきたいものだけは自分で判断しておきたいものですね。