実家の問題

近年、空き家問題が大きく話題となり、深刻化してきている問題を知っておきましょう。

空き家を放置しておくと・・・

空き家問題。 他人事のように聞こえますが、実は身近な私達の問題でもあり、「空き家」を放置しておくと大変なことになります。

大抵の場合、「空き家」となった家を今後どうするのかという質問をすると、大抵の場合「とりあえずそのままにしておく」といった返事が返ってきます。

なぜそのような結論に至ったのか?

「家の中の荷物の処分が大変なので当面そのままにしておく」 「育った家の思い出があるので、そのままにしておきたい」 「将来、また住むかもしれない」 「相続問題でどうしようもない」

理由は、ひとそれぞれにあるとは思います。 f:id:okatazukenet:20171229135546j:plain

しかし「空き家」が廃れていくのは、あっという間です。 人が住まなくなった家の風化はとても早く、まずは下水や排水回りがおかしくなり、日本の場合は湿気によって、建物や家の中の家具などが、あっという間にボロボロになってしまいます。

常時住まないまでも、定期的な掃除を欠かさず行っていなければ、その家の価値はドンドンと落ちていきます。

固定資産税の問題

ボロボロの空き家を見ると「どうして取り壊さないのだろう?」「危ないなぁ」と思ったことはありませんか? そもそも、そこまでボロボロになるのであれば、取り壊したほうがいいのではないか? そう思われると思います。

ところが、持ち主からすると「解体費用がかかる」という問題以外にもさらに大きな問題があるのです。

さて、それが何かというと「固定資産税」で、立っている家を解体し、更地にしてしまうと、その土地にかかってくる固定資産税が、なんと6倍にもなってしまうのです。

というのも、「住宅用地の課税標準の特例」により、家が立っている土地は、固定資産税の6分の1に軽減されているのです。

これを聞くと「空き家」になっても、解体しない理由がわかりますよね。 なにせ「解体」すると、今後6倍もの固定資産税を毎年支払わなければならないのですから、解体費用と合わせると、損することばかりとなってしまいます。

なので、現在の「空き家」問題は、この軽減措置が大元凶となっているのです。 実際のところ、空き家の持ち主だって、「空き家」が悪影響になっていることは重々承知なのです。

しかし、「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の全面施行によって、今後は倒壊の恐れのある空き家は、固定資産税の軽減措置が適用されなくなり、さらに自治体の行政代執行によって、空き家が解体されるということにもなっています。

まぁ、言葉だけを受け取ると持ち主からすると、戦々恐々な状況になったとも取れるのですが、テレビで放送されているようにどんな「ゴミ屋敷」でも、なかなか行政代執行が行われないのが現実ですので、恐らくは、今の空き家問題が加速的に、解消されるということはないでしょう。